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平成15(ネ)1119  意匠権 民事訴訟
平成15年06月30日 東京高等裁判所
判決文全文 → http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/9A88F0F3F6662D8049256DB3000DDCDA.pdf

結論

  • 意匠とは,物品(物品の部分を含む。)の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美観を起こさせるものをいうのであるから(意匠法2条1項),外部から視覚を通じて認識できるものであることを要するものであり,
  • また,意匠保護の根拠は,当該意匠に係る物品が流通過程に置かれ取引の対象とされる場合において,取引者,需要者が当該意匠に係る物品を混同することを防止することにあると解すべきであるから,結局,当該意匠に係る物品の流通過程において取引者,需要者が外部から視覚を通じて認識することができる物品の外観のみが,意匠法の保護の対象となるものであって,流通過程において外観に現れず視覚を通じて認識することができない物品の隠れた形状は考慮できない。
  • 利用関係の判断においても,当該意匠に係る物品の流通過程において取引者,需要者が外部から視覚を通じて認識することができない物品の隠れた形状は,考慮できない。

理由

 -

出題年度

短答試験
論文試験 【平成18年】
口述試験

解説

意匠権侵害における視認性の問題である。直接侵害および利用侵害の両方について、物品の流通過程において、需要者。取引者が視認できない隠れた形状は考慮できない、と判断しました。その根拠は、意匠法2条1項の意匠の定義から導き出されています。デザインが外部から見えなければ、需要喚起しないので、当然結論だと思います。かっこいいデザインだと認識できるから、その意匠を施した製品が売れるんです。特許と根本的に違います。

判決文全文

平成15年(ネ)第1119号 意匠権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方
裁判所平成14年(ワ)第5556号)
口頭弁論終結日 平成15年5月12日
判     決
控 訴 人       狭山精密工業株式会社
同訴訟代理人弁護士 伊 藤   真
同補佐人弁理士   峯   唯 夫
被 控 訴 人     日本サーボ株式会社
同訴訟代理人弁護士 橘 高 郁 文
同補佐人弁理士   澤 木 誠 一
同           澤 木 紀 一
主     文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 控訴人
(1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,原判決別紙目録1記載の減速機付きモーター(以下「イ号物
件」という。)及び同目録2記載の減速機付きモーター(以下「ロ号物件」とい
い,イ号物件と併せて「被控訴人製品」という。)を,製造し,使用し,譲渡し,
貸し渡し,若しくは輸入し,又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡し
のための展示を含む。)をしてはならない。
(3) 被控訴人は,その占有に係る前項記載の各物件を廃棄せよ。
(4) 被控訴人は,控訴人に対し,2090万円及びこれに対する平成14年3
月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(5) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
(6) 仮執行宣言
2 被控訴人
主文同旨
第2 事案の概要
1 本件は,意匠に係る物品を「減速機」とする意匠登録第798521号の意
匠権(以下「本件意匠権」という。)を有する控訴人が,被控訴人に対し,本件意
匠権に基づき,被控訴人が被控訴人製品を製造販売する等の行為は本件意匠権を侵
害すると主張し,それらの行為の差止め及び被控訴人製品の廃棄を求めるととも
に,不法行為による損害賠償請求権に基づき損害金合計2090万円及びこれに対
する不法行為の後である平成14年3月22日(本件訴状送達日)から支払済みま
で民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
原判決は,控訴人の本訴請求をいずれも棄却したのに対し,控訴人はその取
消しを求めて本件控訴を提起した。
2 本件の争いのない事実,争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり
当審における控訴人の追加的な主張の要点を付加するほか,原判決の「事実及び理
由」の「第2 事案の概要」及び「第3 争点及び当事者の主張」に記載のとおり
である。
3 当審における控訴人の追加的な主張の要点
(1) 意匠法が創作保護法であることは,以下の理由により明らかである。すな
わち,①意匠法の目的として,意匠の創作の奨励がうたわれている(同法1条)。
②商標が流通を前提とする商品について使用するものである(商標法2条)のと異
なり,意匠は物品に係るものであり(意匠法2条1項),流通を前提としていな
い。この点は,同じく創作保護を目的とする実用新案法が物品に係るものである
(同法1条)のと同様である。③意匠の実施の定義には,意匠に係る物品の製造,
譲渡,貸渡し,輸入,譲渡若しくは貸渡しの申出のほかに,使用も含まれているが
(意匠法2条3項),意匠の保護が流通過程における誤認混同の防止を目的とする
のであれば,使用以外の実施行為を禁止すれば十分であり,使用まで実施行為に含
めた理由が説明できない。④商標法では,「自己の業務に係る商品又は役務につい
て使用をする商標」について商標登録を受けることができるとされ(同法3条1項
柱書き),不使用の場合は登録取消の制度も用意されている(同法50条)。これ
に対し,意匠法では,「意匠の創作をした者」が意匠登録を受けることができるとされ(同法3条1項柱書き),物品を販売しない者でも意匠登録を受けることがで
きるのであり(特許法と同様である。),さらに,不使用取消の制度もない。⑤意
匠登録要件として「類似」と「混同」が個別に規定されているから(意匠法3条1
項3号,5条2号),両者が全く異なる概念であると解される。⑥組物の意匠の要
件は,「同時に使用される2以上の物品」であり(意匠法8条),流通過程は問わ
れないから,組物を構成する個々の物品が個別に取引されることがあれば,その場
合は流通過程における混同は生じ得ない。したがって,意匠保護の根拠を「流通過
程における混同防止」に求める見解は,上記組物の意匠の要件を説明することがで
きない。⑦意匠と特許,実用新案との間では,相互に出願変更が認められる(意匠
法13条,特許法46条,実用新案法10条)が,商標との間では出願変更は認め
られていない。これは,意匠法等が創作保護法である反面,商標法が標識法である
からである。⑧同様に,意匠法は,特許法における特許を受ける権利及び職務発明
の規定を準用しており(意匠法15条2,3項),意匠の創作は,その出願前であ
っても財産権として位置づけられているが,商標法においては,これらの規定は準
用されていない。⑨意匠法においては,「他人の登録意匠を利用する登録意匠」の
実施を制約する規定が設けられているが(同法26条),これは,2つの登録意匠
が非類似であることを前提としている。類似を誤認混同と同視する立場では,この
場合に実施を制約する理由を説明できない。
(2) 原判決は,「意匠保護の根拠は,流通過程における混同防止にあると解さ
れるから,意匠法の保護の対象となるのはあくまで物品の外観であって,外観に現
れず,視覚を通じて認識することがない物品の隠れた形状は,意匠権侵害の判断に
当たっては考慮することはできない」と判示した。しかし,上記(1)のとおり,意匠
保護の根拠は創作の保護であると解すべきであり,これを前提とすると,自己の商
品に他人の意匠の創作をそのまま冒用するような行為は,たとえ最終的な製品にお
いて他人の意匠が外部から認識できなくても,許容されるべきではないから,原判
決の前記判断は誤りである。
(3) また,原判決は,被控訴人製品の「減速機部分は,減速機付きモーターの
一構成部分にすぎないというべきであるから,被控訴人製品の減速機部分のみを切
り離して本件登録意匠との類否判断の対象とすることはできない」,「控訴人が主
張するように,モーターと減速機を結合させる「組み立て場面」や,減速機付きモ
ーターとして「使用される場面」に注目したとしても,減速機付きモーターにおい
て登録意匠の要部が外観に現れなければ,意匠権侵害といえない」と判示した。し
かし,部分意匠制度が導入されたことを考慮すると,「独立して取引される物品の
意匠を保護対象とする」ことの根拠は明らかでないし,また,仮に,そのような解
釈に立っても,これは「物品が独立して取引されている場合に限り保護を与える」
ことと同一ではない。前記のとおり,意匠法が創作保護法であることを前提とする
と,当該物品を内製さえすれば意匠の創作を冒用しても許されるというような原判
決の解釈は,不当である。
(4) 結局,被控訴人製品の意匠における本件登録意匠との類似性及び利用関係
を否定した原判決の判断は失当である。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(本件登録意匠の構成態様),同(2)(本件登録意匠の要部)及び
同(3)(被控訴人製品の意匠の構成態様)についての認定判断は,原判決の「事実及
び理由」の「第4 争点に対する判断」の「1」ないし「3」のとおりであるか
ら,これを引用する(但し,原判決14頁7行目の「2ミリメートル程度と」,及
び同頁12行目から13行目にかけての「が,塞板の周縁部は円弧状に90度屈曲
している」を削除し,同15頁19行目の「シンクロナスモーター」を「ステッピ
ングモーター及びシンクロナスモーター」と改め,同17頁17行目の「塞板の周
縁部の形状,」,及び同18頁25行目の「2ミリメートル程度でごく」を削除
し,同頁末行に「フランジは,全般に平面状に形成されているが,円形に削られた
中央縁部が円弧状に90度屈曲して円筒状のケーシングと連続している。」を加え
る。)。
2 争点(4)(本件登録意匠と被控訴人製品の意匠との類否)について
(1) 本件登録意匠に係る物品と被控訴人製品の物品とを対比すると,本件登録
意匠に係る物品は,減速機であるのに対し,被控訴人製品は,減速機部分にモータ
ー部分を連結して1個の物品とした減速機付きモーター(ギヤードモーター)であ
るから,両者は物品が異なるものである。
(2) 次に,本件登録意匠と被控訴人製品全体の意匠を比較する。  まず,基本的構成態様においては,本件登録意匠の構成態様が「本体は,
内部に減速ギアが収納された深い鍋型の円筒状のケーシングであり,その開口した
一端である出力側端に,フランジを形成し,出力側端を塞板で閉塞し,この塞板に
軸受けを突設し,この軸受けから回転軸を突出させている」というものであるのに
対し,被控訴人製品の全体の構成態様は,本件登録意匠と基本的構成態様を同じく
する第1のケーシング(減速機部分)のみならず,「該第1のケーシングの他端
に,その一端を連結し他端には開口部を有する円柱状の第2のケーシング(モータ
ー部分)とからなる。」,「第2のケーシングの直径は第1のケーシングの直径と
略同一であり,その長さは第1のケーシングの約2倍であって,第1のケーシング
と連結していない他端の開口部は,プラスチック製の塞板で閉塞されている。」,
「第1のケーシングと第2のケーシングの連結部分は,ねじによって固定されてお
り,第1のケーシングの膨出部の存在により,僅かな間隙が形成されているが,膨
出部の背面視における形状全体は外部からは認識できない。」というものである点
で相違している。
また,本件登録意匠と被控訴人製品の第1のケーシングの具体的構成態様
を比較すると,①プロポーションについて,ケーシングの直径と長さの比は,約
3:2である点,②フランジについて,正面視において,中央部が円形に削られた
環状の隅丸正方形であって,厚さは薄く,四隅に正円型の透孔が形成してあり,ま
た,全般に平面状に形成されているが,円形に削られた中央縁部が円弧状に90度
屈曲して円筒状のケーシングと連続している点,③軸受け及び回転軸について,塞
板の正面視において,上部に偏芯して設けてある点において共通する。しかし,他
方,①本件登録意匠では,塞板は,全般に平面状に形成されており,塞板の平面状
部分とフランジ部の平面状部分とは同一平面上に設けられているのに対し,被控訴
人製品の第1のケーシングでは,塞板は,全般に平面状に形成されており,その周
縁部には3つの小さな取付ねじがあり,塞板の平面状部分とフランジ部の平面状部
分とは同一平面上ではなくわずかな段差が設けられている点,②本件登録意匠で
は,軸受けの軸方向の長さと,軸受けから突出した回転軸の長さはほぼ同じである
のに対し,被控訴人製品の第1のケーシングでは,軸受けの軸方向の長さと,軸受
けから突出した回転軸の長さの比が約1:2である点,③本件登録意匠では,ケー
シングのモーター側端の形状が,中央部をわずかに膨出させて周縁部に段部を形成
しており,膨出部は,背面視において,頂部及び下部両側の3か所が膨出部分の円
周に沿ってほぼそれぞれ120度の角度をおいてケーシングの外縁方向に突出した
変形円輪郭であり,その中央部に膨出部の直径に比して約3分の1ほどの直径を有
する比較的大径の透孔が設けてあり,頂部の突出部には縦長の透孔が,また,下部
の2つの突出部にはやや縦長の透孔がそれぞれ設けてあり,その下部の2つの突出
部の間に正円型の透孔が設けてあるというものであるのに対し,被控訴人製品の第
1のケーシングでは,膨出部の背面視における形状全体は外部からは認識できない
ものである点が,それぞれ相違している。
(3) 前記(1)認定のとおり,本件登録意匠に係る物品と被控訴人製品の物品と
は,異なるものであるし,また,前記(2)認定の本件登録意匠と被控訴人製品全体の
意匠の共通点と相違点によれば,両者の構成態様は,①被控訴人製品の全体の構成
態様が,第1のケーシング(減速機部分)のみならず,その直径と略同一の直径で
あり,その長さの約2倍の長さである第2のケーシングと連結されたものである
点,②被控訴人製品の全体の構成態様においては,本件登録意匠の要部である前記
ケーシングのモーター側端の具体的な形状(膨出部の背面視における形状全体)が
外部から認識できない点において,大きく異なっているものといわざるを得ないか
ら,被控訴人製品中の第1のケーシングの基本的構成態様や具体的構成態様の一部
が本件登録意匠のそれらと共通するものであるという前記共通点を十分参酌して
も,本件登録意匠と被控訴人製品の意匠は,全体として,看者に異なる美観を与え
るものというべきであり,両者が類似しているということは到底できない。
(4) これに対し,控訴人は,被控訴人製品のモーター部分と減速機部分は,ね
じにより着脱可能に取り付けられ,減速機部分の膨出部の存在により取付部分に僅
かな間隙が形成されているため,減速機部分は独立して認識されるものであるか
ら,本件登録意匠との類否判断の対象となるべきものは,被控訴人製品の減速機部
分である旨主張し,また,部分意匠制度が導入されたことを考慮すると,「独立し
て取引される物品の意匠を保護対象とする」ことの根拠は明らかでないし,さら
に,仮に,そのような解釈に立っても,これは「物品が独立して取引されている場
合に限り保護を与える」ことと同一ではなく,意匠法が創作保護法であることを前提とすると,当該物品を内製さえすれば意匠の創作を冒用しても許されるというよ
うな結論は不当である旨主張する。
しかしながら,意匠の保護は,最終的には産業の発達に寄与することを目
的とするものであるから(意匠法1条),意匠保護の根拠は,当該意匠に係る物品
が流通過程に置かれ取引の対象とされる場合において,取引者,需要者が当該意匠
に係る物品を混同し,誤って物品を購入することを防止すると同時に,上記取引者
等の混同を招く行為を規制することにより意匠権者の物品流通市場において保護さ
れるべき地位を確保することにあると解すべきである。そうすると,意匠権侵害の
有無の判断に際しては,流通過程に置かれた具体的な物品が対象となるものという
べきである。そして,本件においては,被控訴人が被控訴人製品を減速機部分とモ
ーター部分とが一体のものとして製造販売していることは当事者間に争いがない
し,前記のとおり,被控訴人製品の減速機部分は,ねじによりモーター部分と固定
されているものであるから,結局,被控訴人製品において減速機部分は減速機付き
モーターという物品の一構成部分にすぎないというべきである。したがって,被控
訴人製品の減速機部分のみを切り離して本件登録意匠との類否判断の対象とするこ
とはできない筋合いである。
(5) また,控訴人は,意匠法は意匠の持つ「形態価値」を保護するものであ
り,「形態価値」を保護するためには保護されるべき意匠が物品の流通過程で見え
るかどうかは問題ではなく,モーターと減速機を結合させる「組み立て場面」と,
減速機付きモーターとして「使用される場面」に注目しなければならない旨主張
し,また,意匠保護の根拠は創作の保護であると解すべきであり,これを前提とす
ると,自己の商品に他人の意匠の創作をそのまま冒用するような行為は,たとえ最
終的な製品において他人の意匠が外部から認識できなくても,許容されるべきでは
ないから,意匠権侵害の判断に当たっては,外部から認識できない物品の隠れた形
状も考慮すべきである旨主張する。
しかしながら,意匠とは,物品(物品の部分を含む。)の形状,模様若し
くは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美観を起こさせるものをいうの
であるから(意匠法2条1項),外部から視覚を通じて認識できるものであること
を要するものであり,また,前記のとおり,意匠保護の根拠は,当該意匠に係る物
品が流通過程に置かれ取引の対象とされる場合において,取引者,需要者が当該意
匠に係る物品を混同することを防止することにあると解すべきであるから,結局,
当該意匠に係る物品の流通過程において取引者,需要者が外部から視覚を通じて認
識することができる物品の外観のみが,意匠法の保護の対象となるものであって,
流通過程において外観に現れず視覚を通じて認識することができない物品の隠れた
形状は考慮することができないものというべきである(なお,控訴人主張のとお
り,意匠保護の根拠が「創作」であると解したとしても,それが必ずしも意匠権侵
害の判断に当たり,物品の隠れた形状をも考慮すべきであるとの見解には結びつか
ない筋合いである。)。
3 争点(5)(被控訴人製品における意匠の利用関係)について
控訴人は,①他の登録意匠又はこれに類似する意匠の全部を包含すること,
②他の登録意匠の特徴を破壊することなく包含すること,③他の構成要素と区別し
うる態様において包含すること,という要件を満たす限り,意匠の利用関係が認め
られると解すべきであるところ,この観点から見ると,被控訴人製品は本件登録意
匠を利用ないし包含しているといえるから,本件意匠権を侵害しているというべき
である旨主張する。
しかしながら,控訴人の主張するように,利用関係による意匠権の侵害が認
められるとしても,前記認定のとおり,被控訴人製品の全体の構成態様において
は,本件登録意匠の要部である前記ケーシングのモーター側端の具体的な形状(膨
出部の背面視における形状全体)が外部から認識できないものであるから,被控訴
人製品が本件登録意匠を利用ないし包含しているということはできない(なお,利
用関係の判断においても,前記のとおり,当該意匠に係る物品の流通過程において
取引者,需要者が外部から視覚を通じて認識することができない物品の隠れた形状
は,考慮することができないものというべきである。)。
4 結論
以上によれば,控訴人の被控訴人に対する本訴請求をいずれも棄却すべきも
のとした原判決は相当であって,控訴人の本件控訴は理由がないから,これを棄却
することとし,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第3民事部    裁判長裁判官 北  山  元  章
裁判官  青  栁     馨
裁判官  沖  中  康  人

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